よろず手控え帖

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新作パトレイバーEZYはあれから30年後の話?

パトレイバーの続編

 2017年10月5~12日に山形県で開催された「山形国際ドキュメンタリー映画祭」でとある企画がありました。それは、パトレイバーのための企画・原作者集団である「ヘッドギア」の一人で、脚本を担当した伊藤和典さんのトークイベントパトレイバーが話題の物ではない)です。

 その際に現在手がけている作品が2本ある*1とし、そのうち一本が「パトレイバー」であるとの話が出たそうです。

  今回の山形のトークイベントに参加した他の方にも伺ったところ、同じような返答を頂きました。それによると、伊藤さんはEZY(イジー)のタイトルを話に出して、30年後の話と仰っていたそうです。

2017年6月のポスターは正式な製作発表なのか?

 そもそも、2017年6月にフランスのアヌシーアニメ映画祭・見本市でポスターが公開され、それがネットメディアで記事にされ拡散したわけですが、あれは製作正式発表なのでしょうか?

 あの1989年劇場版ポスターと似た画像が出た後に、ジェンコ真木社長が自身のTwitterでプロデュースすると投稿、伊藤さんも実現はもうちょっと先と投稿しただけで、他の作品のようなプレスリリース(各ニュースメディア等でほぼ同じ内容の記事が出る場合などがプレスリリースを基に記事が書かれている)という形で発表された形跡はありません。映画祭のポスター掲示は、株式会社ジェンコパトレイバーの版権を扱うと言う事と、今後新作を予定しているという告知であると思います。

 今後、まずは現在パトレイバーの版権を有しているジェンコか、関連する企業、何らかの本、新設される公式サイト・SNSアカウント等から制作決定の発表があり、続いてプレスリリースに基づく制作決定の発表が各メディアから報道され、ビジュアルやスタッフ発表、声の出演発表、放送時期発表、放送局発表というような事が順次発表されていくはずです。

過去の発言との一致

 今までプロデューサーやヘッドギアの一部メンバーが新作のことを度々語っており、その度に記事を書いてきました。

 2017年2、3月にベルギーのアニメ映画祭で行われたジェンコ・真木社長のインタビューで、舞台は2030年ごろというのを匂わせる話が出ていました。

 しかしこのブログで記事を書いた時点では「物語を最初からやり直すパターンのリブートやリメイク」なのか、「いずれかのシリーズの続編」なのかがハッキリしていませんでした。

 ところが今回、日本でヘッドギアのメンバーの口から「30年」という具体的な話が出てきた訳です。

 正確にどう発したのかは映像等がないので分かりませんが、Twitter投稿者やイベント参加者から出る「30年後」「30年経過」という語句からしても、基準となる年がある訳ですから、初期OVA、テレビシリーズなど、どれかのシリーズの続編と考えるのが自然でしょう。仕切り直しで最初からやり直すタイプのリブートやリメイクの場合、続編とか続きとは言わんでしょうし。

 しかし今の段階では、実制作に入る前のプリプロダクションの段階で、変更されることもあり得るかもしれませんし、パトレイバーのシリーズはパラレルワールドであり、色々出来るので変わった変化球で来ないとも断言はできませんが……

30年経過

 2016年10月15日(土)開催「機動警察パトレイバーREBOOT」公開記念トークイベントで、今後の展開について聞かれた出渕さんは「具体的に何も決まっていない」としながら、以下のように発言していました。

↓ニコニコのアカウントを持っていれば、アーカイブが無料で観れます。

live.nicovideo.jp

でまあそれで、やるとすればパトレイバーって常に何かこう、その放映もしくは上映されている時代よりも10年後先みたいな。設定はそうなんですけど、でもやってるのはその同じ時代っていうの、風景っていう形なんですけど、そういうスタンスになるんじゃないかなという感じはしますけどね。

出渕さんの言っていた、

  • 放映もしくは上映されている時代よりも10年後先設定
  • でもやってるのは放映上映時代の風景っていうスタンス

というのを考慮すると、機動警察パトレイバーという作品が発売された1988年の30年後(2018年頃)の物語ではなく、劇中で物語の始まりとなった1998年から30年後(2028年頃)。若しくは、パトレイバー2 the Movie(2002年が舞台)の30年後、2032年前後の物語という可能性が高いのでは。

 どっちにしても、真木プロデューサーが「アニメはオリンピックまでにやりたい」(下の項目参照)というのが2020年の東京大会だとすると、その10年後である2030年前後が舞台というのは可能性が高いと思われます。

作品の発表時期は?

 発表時期については、2016年12月に真木プロデューサーがゲストで呼ばれたこの

youtu.beネット番組では、

岡田「どの辺まで算段ついてるんですか?」

真木「とりあえずアニメはオリンピックまでにはやりたいと思ってます」

と語り(↑の動画の42分経過のあたりから)、その翌年2017年9月に公開されたネットラジオ番組では

agonp.jp

真木「今新しいアニメーションを作り始めてます。作り始めてますって言ったって、まだシナリオも出来てないから。ま、一体何年にね……」

<略>

真木「いわゆるシリーズ+映画、計画中で、何年になることやらね」

と語っています。

 さらにヘッドギアの伊藤さんは、2017年6月にフランス・アヌシー映画祭で公表された「パトレイバーEZY」のポスターを報じたネット記事に対し、

 と投稿しています。

 これらの発言からすると、新作発表の時期についてはまだ発表出来る段階にないが、ある程度の目標としてオリンピック(たぶん2020年の東京大会)ごろまでには、という感じでしょうか?

追記

 2018年3月にフランスで行われた「Japan Tour Festival」というイベントに、ヘッドギアの高田明美さんがゲスト出演。その際のライブドローイングの合間の質問タイムにちょっと気になる発言がありました。

この動画の57分経過ごろからの質疑応答で、どうしてイラストを描く仕事がメインなのか?という問いに対する回答のなかで、

新しい作品も水面下で進んでいたりする。

みんな2020年を楽しみにしてて……あまり言えない。

今3本動いてる。で、そのうち2本はまず日の目を見るであろう、1本は絶対。

ということを仰っています。当然作品名を言っていないので、何のことなのか不明ですが、前後の発言からアニメ作品のことらしいです。ここでもまた2020年という年が出てきましたが、パトレイバーと関係あるのかないのか……

EZYのポスター

 あとはEZYのポスターにあるイングラムはどういう扱いなのかと言う点。上に挙げた記事にも書いたのですが、2017年9月に公開されたラジオで真木プロデューサーが語ったところによると「シナリオもまだ出来ていない」そうです。山形のイベントでも伊藤さんが「まだポスターしかない」という話をしたそうなので、2017年6月に公開されたビジュアルは単に宣伝用である可能性も??

 ただ、このポスター掲示の際にアヌシーで取材をしていた、アニメジャーナリスト数土直志氏(氏のツイッターの投稿内容から現地に居たことが伺える)が運営しているアニメーションビジネス・ジャーナルというサイトに記事が出たのですが、

animationbusiness.info

その記事には、ジェンコのブースで掲示されていたEZY以外のビジュアルは全て仮のビジュアルとしており、逆にEZYは現時点で最も企画の進んでいる作品と考えていいだろうとも書かれています。

 30年後となると、実写TNGより先の話になるわけで、98式イングラムが30年も使われ続ける理由が必要となるでしょう。TV、アーリーデイズ・映画など、どういった世界の話になるのか分かりませんが、ピースメーカーやヴィリアントなど後継機を何らかの事情で放逐し、イングラムスーパーカブのように基本設計の多くが継承されて30年使われている、と言うようなことなのか?何かひと捻りあるのか?今のところ謎で推測の域を出ません。

 更にお馴染みの特車二課キャラクターもどうなるのかなど、当分妄想やら考察やらが捗りそうです。

アニメビジエンスの表紙

 現在、パトレイバー著作権を管理している「株式会社ジェンコ」が編集しているアニメ業界誌「アニメビジエンス Vol.14」(2018年4月初旬発売)の表紙に、野明のイラストが載っています。

anime-busience.jp

これはアニメーター・キャラクターデザイナー梅津泰臣さんが描いたものと表紙にも書かれていますが、氏のブログでその辺のことが書かれています。

nailwonder.blog44.fc2.com

この記事を読めばわかりますが、アニメビジエンス側から作品と無関係な方に表紙絵を依頼し、さらに自由に描いていというオーダーをしているらしく、既刊を含め他の号も同様な模様。そんな理由から、この野明のイラストはEZYとは直接関係はないと見て良いのではないでしょうか。

今後

 新作が待ちきれなくて痺れ切らしてる人もいるようですが、アニメは企画の立ち上がりからスタッフ・キャストの正式発表、もしくは放送・上映までに最短で2年~それ以上はかかると聞きます。

 しかもこれだけ大きな作品ですし、真木プロデューサーも色々構想があるようですから、そうすぐに出来上がって来る物でもないでしょう。EZYと同時にジェンコで扱うことが発表された、浦沢直樹原作漫画『PLUTO』もその後動きは聞こえてきませんし。

 EZYの放送なり上映が30周年中に有るのか無いのか分かりませんが、その時のために体調に気を付け待ちましょう。

 

 それと、ネット上で「ヘッドギアはパトレイバーの権利を第三者に譲渡したので、30周年が半年過ぎようとしてもイベントやコラボがない」みたいなことを書いてる人がいるんですが、何を根拠に言っているのか怪しいので、信憑性はないでしょう。

 あまり知られていないのかもしれませんが、ヘッドギアというのは原作者グループ名だけでなく、権利会社としての形もあります。これは出渕さんがインタビューなどたまに発言しているのでご存知の方もいるでしょう。そして、このヘッドギアの住所は株式会社ジェンコと同じになっています(この辺は一般に公表されている法人番号で調べると分かることです)。

 数年前にジェンコの真木社長がFacebookで投稿していた通り、現在ジェンコパトレイバー著作権管理を任されているので、この株式会社ヘッドギアというのはパトレイバーの権利会社であるヘッドギアとみて間違いないでしょう。

 また、ガレージキットなど造形物のイベント「ワンダーフェスティバル」では、個人が作った版権物を販売するために版権元に申請が必要なのですが、ここ数年パトレイバーの窓口は東北新社でした。しかし、何回か前からジェンコに変わっています。

 この様なことからも、株式会社ヘッドギアは株式会社ジェンコに『機動警察パトレイバー』の著作権管理を委託している形、という可能性が強いでしょう。なので、譲渡したということは無いと思います。だいたい譲渡っていうのは、会社が存続できなくて(会社の財政状態とか関係なく、承継する人がいない等という場合もこの理由に入る)他社に移譲するとか、金に困ってるとかそういう事態にならないとやりませんよ。

 余談ですが『サンダーバード』では、原作者・プロデューサーであるジェリー・アンダーソン氏が諸権利を譲渡したので、その後のビデオ化の際にも収入はなく、その後自身で新作を作ることも出来ずに苦労していたことが伝えられています。

*1:そのうち1本の実写ポリティカルアクションてのは、かわぐちかいじ原作の漫画「空母いぶき」の実写化映画ということが判明しました。