よろず手控え帖

追記の多いブログ

変な記事に突っ込みを入れる

 下の記事は、ページタイトルになっている見出しのことは最後に数行あるだけのよくある浅いまとめ記事で、わざわざリンクするような記事ではなんですが…適当な記事書きやがってという意味も込めて書いときます。

ciatr.jp

 漫画家のゆうきまさみ(原案・キャラクター設定)を中心に、イラストレーターの出渕裕(メカニック設定)と高田明美(キャラクター設定)、脚本家の伊藤和典が中心となって始まったプロジェクトが、このシリーズ。原作者ユニット「ヘッドギア」というグループを立ち上げ、後に押井守が合流しています。

 まずはヘッドギアが出来てから押井氏が合流した、と受け取られるような適当なことが書かれてます。

 ヘッドギアと名前が付けられたのは、押井氏が合流してからです。このことは過去のインタビュー記事などでも出てます。比較的最近のものだと、一迅社から出ている「機動警察パトレイバー完全設定資料集TV編」の高田明美氏インタビューでは

高田 著作権の関係でユニットになってください、というバンダイさんからの要請でした(笑)。だから作品のための「クリエイター制作委員会」ですね。パトレイバーユニットって感じです。

 ただグループ名を決めようということになって、押井さんが「虚構防衛軍」なんて名前にしようと言い出したので「恥ずかしいからやめて」って(笑)。で、「ヘッドギア」にしたんです。5人集まって、みんなアタマを道具に仕事している人たちだから、ヘッドギアがいいんじゃない、ってことで。野明たちも着けてるでしょう?

この話はほかのインタビューなんかでも出ていて、たまに地球防衛軍になってたりするんですが、この辺は記憶違いでしょう。それと虚構防衛軍と言い出したのが押井氏というのも、もしかしたら違うのかも。以前ヘッドギアの伊藤和典氏がツイッター

こう言っていたりするので、両氏のどちらかなのでしょう。もう何十年も前の話ですし、こういう記憶違いも起きますよね。

 どっちにしても、ヘッドギアと名前を付けることになったのは、バンダイへのプレゼンが成功し押井氏が参加し、企画を現在の形へ煮詰める段階になってからの話だと推測できます。

 ヘッドギアの立ち位置について、出渕氏はレーザーディスク「PATLABOR THE MOVIE COMPLETE WORKS」のブックレットでは

パトレイバー』に関しては一つの会社ではなく、フリーの集まりとして著作権を持つことで作品のクォリティに責任を持とうという発想でした。

<略>

ただ、これはあくまでも『パトレイバー』のための集団で、よく「これ以降もヘッドギアとしてアニメを作るんですか」なんて聞かれるけど、答えはノーとしか言えません。これはもう、最初から決めてたことなんですよ。これでもう1回別の作品をやれって言われても、それはうまくいかないんじゃないかって。まぁ、そうやって回転させていかなければならない会社形態でもないですからね。メンバーのうち何人かで仕事することはあっても、”あの『パトレイバー』のヘッドギアが贈る!”なんていう売り出し方はしたくないんです。

と語り、「別冊宝島761機動警察パトレイバーパーフェクトブック」では

パトレイバー』はほかに原作があって、それをアニメ化したのではなく、その企画自体が原作なんです。その意味でも明確にしておきたかったのが、当時、僕ら制作サイドが持っていなかった“権利”に対してもっと自覚的になろう、という意識でした。そして自分たちが原作権を持てるようにと作ったのがヘッドギアなんです。その頃、ヘッドギアとしての今後の活動予定みたいなことをよく尋ねられましたが、違うんですよ。ヘッドギアはあくまでも『パトレイバー』のための権利会社であって、制作ユニットではないんですね。こうした方法論も、その後のアニメ制作における試金石になれたかなと思いますね」

と語っています。さらに、ゆうき氏は「機動警察パトレイバー完全設定資料集Vol.1」で、

ーところでヘッドギア「原作者集団」といった形も、プロデューサーから?

ゆうき:いや、それは僕の意向というかな。たとえば小学館のマンガが原作だと、アニメ誌ではカラー2ページしか特集で組んでもらえない。だからマンガが原作という形はやめて、どのアニメ誌でも扱ってもらえるようにしよう、と。

と語っています。ヘッドギアそのものについては5人共通した認識があるわけです。 

 ヘッドギアそのものについても、過去の証言だけでもこれだけ色々あるのですから、パトレイバー」という企画の軌跡を取材し、後世に残す記録としての書籍を出版してほしいです。

 

 あとは映画監督の本広克行氏が、実写版パトレイバーパイロットフィルムを作っていた、という話も出てるんですが、

「THE NEXT GENERATION」の企画が立ち上がった時には、監督候補のひとりに選ばれていたという本広。平成ガメラシリーズの特技を担当した樋口真嗣らと組んで、パイロットフィルムまで作っていたそうです。

本広監督が関わったパイロットフィルムは、TNGパトレイバーより15年くらい前の別企画の実写パイロットフィルムの話です。 候補に挙がっていたのは下記の記事にも書いた押井監督の発言から確かなのですが、この書き方ではTNGパイロットフィルムと思う人が多いのでは。

mech.hateblo.jp

 あとは警視庁と警察庁がごっちゃになってます。アーリーデイズの6話で南雲隊長が海法や祖父江と話すシーンを挙げ、警察庁幹部と言ってますが、あの二人は警視庁警備部所属の人間です。

 そして紹介したweb記事の問題はもうひとつあります。それは、パトレイバーの新プロジェクトが30年後の話で2020年までに公開、という話を書いてるんですが、まあ何の根拠も示さず書いてるところです。

 他人様のブログで、同じような記事書いてるところがあるのかもしれませんが、書き方からすると、うちのブログの記事を参考にしてる気がします。別にそれは構わないのですが、公になっている動画やツイートのリンクも張られていません。まあ内規で貼れないとかいうのなら、せめてどこそこの番組やイベントで誰が言った、くらいの文を書いて欲しいもんです。