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amassの"『サンダーバード』50周年記念 新作『アニヴァーサリー・エピソード』のトレーラー映像公開"の記事

 前も書いたんですが、amassと言うサイトがきちんと調べずに書いた記事を出しています。 

mech.hateblo.jp

2020年7月25日にamassが

サンダーバード』50周年記念 新作『アニヴァーサリー・エピソード』のトレーラー映像公開

と見出しを付けた記事をアップしています。もはやリンクを張る気すら起きないので張りませんが、内容としては先日書いた以下の記事

 

mech.hateblo.jp

にも書いた、

レコードに録音された『サンダーバード』の音声劇を元に3エピソード映像化した『Thunderbirds 1965』改め、『Thunderbirds:The Anniversary Episodes』

のネット配信開始(日本は関係ない)を告知する動画がYouTubeにアップされた事を記事にしていますが、これの問題点は

  • 今年が50周年と間違われる
  • 今年作られた新作かのように思われる

主にこの2点です。サンダーバードが何周年なのか、ちゃんと把握しているのはコアなファンくらいでしょう。ただでさえ、Twitterでは見出しを読んだだけで反射的にリツイートする人が多く、リンクの記事本文を確認する割合なんて少ないのに、こういう見出しの書き方は誤解を招きます。まぁ見出しだけじゃなくて、本文も誤解を招く内容なんですけどね。

amassの記事には

英国の特撮TV番組『サンダーバード』の50周年を記念して制作された新作『サンダーバード:アニヴァーサリー・エピソード(Thunderbirds: The Anniversary Episodes)』のトレーラー映像が公開されています。

とありますが、正しく書くと

 

英国の特撮TV番組『サンダーバード』の50周年を記念して2015年に制作された新作『サンダーバード:アニヴァーサリー・エピソード(Thunderbirds: The Anniversary Episodes)』の外配信サービス配信開始にあたり、トレーラー映像が公開されています。

 

となるでしょう。

 これら3本は、『Thunderbirds』本国イギリス放送開始から50周年であった2015年にクラウドファンディングと製作が行われた作品です。amassの記事には、制作年についてのフォローがありませんし、

今年5月〜6月に『サンダーバード』の伝統を受け継ぐ新作スーパーマリオネーション・ドラマ『Nebula-75』を公開した英Century 21 FilmsのYouTubeチャンネルによると、

と書かれており、文の前後関係からすれば今年作られたと思う人もいるでしょう。

 しかし、『Thunderbirds』は今年55周年です。今回の配信開始は、2015年当時クラウドファンディングに参加した人への報酬や数量限定販売品、映画祭、その後のサンダーバード・デーのネット配信(このときは日本からも視聴可能でした)などある意味限られた機会でしか見る事が出来なかった作品が、ネット動画配信開始により時間や場所に囚われず視聴可能になった。(サービス提供地域の制限はある。そのそも日本は今のところ提供エリア外)という事が真相です。

今まで3エピソードについて知らなかった日本の人に、作品の存在を知ってもらえるのは同じ日本のサンダーバード・ファンとしては嬉しいのですが、見出しの段階から誤解を生むような事にはして欲しくないですね。

 

『Thunderbirds 1965』ではなく『Thunderbirds:The Anniversary Episodes』

 過去何度も書いてきましたが、レコードに記録された『サンダーバード』の音声劇を元に、3エピソードを人形を使いスーパーマリオネーション形式で映像化した『Thunderbirds 1965』。

 

mech.hateblo.jp

 

これらの名称が『Thunderbirds:The Anniversary Episodes』と確認されたと、報告されています。

https://twitter.com/la_riviere/status/1285523712666722304

 Twitterでこの報告をしたのは、クラウドファンディングの説明ビデオにも登場している、スティーブン・ラリビエー氏。Producer / Director / Puppeteer / Actor / Writer(Twitterのプロフィール欄より)で、日本でも『サンダーバード』や『謎の円盤UFO』といったジェリー・アンダーソン作品の書籍を複数出している人物です。

www.kickstarter.com

 これによると、『Thunderbirds 1965』の名はキックスターターのプロジェクト名であり、正式なタイトルは『Thunderbirds: The Anniversary Episodes』であることが確認されたということです。確認したというのは、現在サンダーバードの権利を管理しているイギリス・itvに、ということでしょう。これにより、日本式に書くと

ではなく

と言う感じで、独立した一つの作品ではなく、数十話存在する『サンダーバード』に含まれるエピソードとして権利元に認められたということでしょう。

 この3エピソードに関連する情報として、海外の動画配信サービス「BritBox」で8月から動画配信されるとのこと。今まではキックスターターで出資した人用のDVDやブルーレイ、限られた数発売されたディスクが市場に出回っていましたが、今回やっと一般の人が配信で見られるようになったそうです。しかし、この配信サービスは日本からは見れませんし、日本で展開していないので、日本にはあまり関係ない話ですが……

 

日本では何やら動きが……

 日本では少し前にサンダーバードオフィシャルサイトがリニューアルされました。このサイトは日本国内で『サンダーバード』の権利を管理運用している東北新社ドメインを持っているWEBサイトです。

 リニューアルされたWEBサイトを見ると、「55」という数字が大きく出ており、放送55周年をアピールしています。英国での放送開始は1965年9月30日で、2020年のこの日で55周年になる訳です。2017年から9月30日は「Thunderbirds day」として、毎年インターネットで何かしらイベントがありました。しかし、それはほとんど海外での話。日本では、スーパー!ドラマTVの公式Twitterアカウントがdayについてツイートした程度。

 日本語のオフィシャルサイトであれだけ大きく「55」を出すからには、今年のサンダーバード・デーは日本でも何か行われると期待したいです。なにしろ数年前に、デアゴスティーニサンダーバード2号を作るの出版と関連したトークイベントが行われ、その際にこの3エピソードを日本でも見れるよう東北新社が動いているという話があったそうですし、去年のdayにも人形を使ったスーパーマリオネーションの新規映像がこうかいされましたし、これらに職業字幕翻訳家の日本語字幕を付けて日本向けとして公開してくれると嬉しいのですが、果たしてどんな動きをしてくれるのでしょうか。

 

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NHK BS4Kで『サンダーバード』放送は?

4K

 4Kの放送はNHK以外の局も行っているのですが、民放局は番組表見てもあんまりラインナップに力入れていないし困ったもんです。NHKは『刑事コロンボ』や『大草原の小さな家』などのフィルム撮影の海外ドラマを放送してますし、ぜひとも『サンダーバード』もやって欲しいですね。アンダーソン作品の多くは35ミリフィルム撮影で『サンダーバード』も4Kスキャン向きでしょう。

 「4Kにすると見えすぎて味が無くなる」という話もあるでしょうが、ワイヤーが見えるという話は、昔のアナログ放送でも見える時は見えてましたからね。それよりも人形シーンの舞台セット、特撮シーンのミニチュアセット、人形のメイクや衣装などの作り込みの凄さが分かるはずです。あとは劇中メカに使われているプラモデル流用パーツや衣装の研究など、画質が貢献することもあるでしょう。

 そもそもHD画質でも見る方法が限られているのが現状です。日本ではネット配信すら行われてませんし、HD画質の物ですらブルーレイを購入するか有料CSなどで放送されるのを見る以外方法が無いんです。これは確実に新たなファンを獲得しにくい環境になっています。

 50年の間、なんだかんだで地上波テレビの在京キー局で再放送が10年間隔で行われ、その度に少なからずファンを作るパターンでした。しかし、今のテレビ放送作品を見ればそれが効かない時代になったのは明らかです。そこに出て来たのが、CGとミニチュアによる『サンダーバード ARE GO』なわけです。あの作品を見てファンになった人や、サンダーバードが救助活動を描いた作品なのを認識した人もいるでしょう。

吹替

 あとは、『大草原の小さな家』で行われた吹替の新録音ですね。もし、『サンダーバード』で新録音するとなると、誤訳の修正や現在の放送基準に合わせた翻訳がされるでしょう。よく言われる誤訳がリフトオフを「リフトを外せ」になってるところとか、救助装備を〇番装備と言ったり、第〇装備と言ったり、一つのエピソード内で同一人物の階級を大将と言ったり、将軍と言ったりとかです。新録音することになった場合は、この辺の専門家やサンダーバードに詳しいライターに監修してもらうとか、翻訳にもこだわって欲しいですね。

 ノーカット放送なら何と言っても全編吹替で聞けるところがミソです。現在の日本語吹替は日本初放送時にカットされ吹替が無かったシーン(この辺は吹替用台本などがまとめて公開されれば、何処があって何処がなかったなど詳細な研究が出来るのですが)や、その後の再放送でカットされて現存していないシーンが結構あります。そういうシーンは英語音声+日本語字幕になります。新録音されるとなると、その辺が解消されるわけです。

 まぁただ、50年以上に渡って使われた馴染みの声の出演で無くなるというのは賛否分かれるのは想像できます。しかし初放送時吹替版が、岸田今日子ムーミンのようにほぼ封印されるような形になるならともかく、4K放送用に使うくらいならそう目くじらを立てる事でもないと個人的には思います。お馴染みのキャスト版はLD、DVD、ブルーレイと何度もソフト化されてますし、たぶん聞けなくなることは無いでしょう。むしろ4Kソフト化するようなことがあれば、新録音版を特典として収録すれば多少の売りにもなりますし、選択肢が増えます。

 まぁちょっと心配なのは、あるか分かりませんが今後次世代メディアで発売するときに、よく知らない担当者が「ノーカットの新録吹替版があるからこっちだけ入れとけば(使えば)良いや」となる事態ですね。まぁディスクなどの物理メディア商品はネット配信などの台頭もあって、コレクターズアイテム的な存在になりそうな気配もあるので、むしろ全部入りとかやる方向になるかもしれませんが。

 それよりも、1998年に初DVD化された際(バンダイビジュアルのエモーションから販売、発売は東北新社)、疑似ステレオ化という事で日本語吹替版に元の音質に馴染まない効果音が追加された音源が作られました。 これ以降に発売されたDVDやブルーレイはなぜかこの吹替音源を収録しています。現在発売中のブルーレイには、原語版のオリジナルモノラル英語音声が収録されたことですし、日本語の方も元のオリジナルモノラル吹替版に戻して収録してもらいたいですが……

 それとNHKの海外ドラマは基本的に日本語と原語の音声多重放送とリモコンでオン・オフ可能な日本語字幕放送が行われるので、新録吹替が気に入らなければ原語と字幕で視聴出来ます。

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