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劇場版パトレイバーに登場した自動車技術に近づいた?

 つい先日、2つの自動車関連技術についての記事が出ました。

 この「サイドミラーをカメラで代用する」のと、「フロントガラス全面が表示画面化する」という二つの技術は、映画『機動警察パトレイバー2 the Movie』(1993)で劇中に溶け込むように描かれていました。

 これらのアイデアは、映画公開以前からあったものですが、公開から20年以上経った今見ても、違和感無く見れるのは、今とあまり変わらないデザインの自動車に搭載されている(映画見ていてもミラーレスだった事に気づいていない方もいらっしゃるようですし)からかもしれません。

フロントガラス

 まずフロントガラスのディスプレイ化についてですが、映画の中ではこのように描かれています。

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出典:映画『機動警察パトレイバー2 the Movie

 上の画像だとマップがスピードメーターより前に映ってますが、多分ミスでしょう。他のカットでは……

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出典:映画『機動警察パトレイバー2 the Movie

 このように表示されているので、フロントガラス面に表示されるとみて間違いないでしょう。小説版で、遊馬の車にはFWD(フロントウィンドウディスプレイ)を面白半分に改造したものが付けられている、という件があるので、それの一種だとは思いますが、それ以上の技術的な事は不明です。

 これらの操作方法は、映画では描写が省略されているのですが、小説版で操作にはステアリングの支持架に車載電話のスイッチがあり、マップはコンソールにあるスリットにディスクを差し込むと表示されるとなっていました。

 現在でも、車種によってはハンドルにオーディオやその他の操作ボタンがありますが、現実的に考えると「ボタン」や「ジョイスティック」による操作法か、音声認識によるものになりそうですね。

表示方法

 HUD(ヘッドアップディスプレイ)と呼ばれるタイプは、現在の技術でも幾つか発売されています。ダッシュボード面にあるディスプレイに映ったスピードメーター表示を、フロントガラスに張った特殊なフィルターに反射させ表示させる技術(下画像・上)。

 日本では、フロントガラスにフィルムなどを貼ると車検が通らないのと、検問で無用の疑惑をかけられかねないので、フィルムではなく、本体にクリアパーツを付けて使うよう(下画像・下)になっています。

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 同じように、ダッシュボードに置いてディスプレイを反射させるものとして、スマートフォンの速度表示アプリがあります。GPSを利用して、移動距離と時間から速度を割り出すらしく、GPS受信出来なかったりすると、精度的にはイマイチですが、遊び半分に使うには面白いアプリです。

 他に似たような技術として、パイオニアが発売しているカーナビにサンバイザー型のカーナビゲーションシステムがあります。

 これはフロントガラスに写っているように見せる仕組みで、実際にはフロントガラスには何も映っていません。例え前を向いていても、バイザーから視線が外れるとその表示は見えません。

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これもバイザー部分がハーフミラーになっており、バイザー後方から投影されたのを映しているだけで、バイザー部分が自発光しているわけではありません。

Pioneer(パイオニア) カロッツェリア HUDユニット  ND-HUD10

Pioneer(パイオニア) カロッツェリア HUDユニット ND-HUD10

 

 

 一番上で紹介した積水化学の技術は、反射を利用した虚像ではなく、「ダッシュボードに設置された装置からのレーザーの照射を受け、フロントガラスに含まれる膜そのものが発光する」と言う事なので、車検などの問題はクリア出来るように開発されているでしょうし、まさに劇中のシーンそのままになるわけです。

 現在は、表示出来る色が限られているようですが、今後フルカラー表示を可能にするよう取り組むそうなので、市場投入を目指している2018年にどんな物が出てくるのか楽しみです。

サイドミラー

 つぎにミラーレスについてです。劇中の多くの車にはサイドミラーが無いのはこれらのシーンで分かります。

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出典:映画『機動警察パトレイバー2 the Movie

機動警察パトレイバー2 the Movie [Blu-ray]

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 しのぶさんの車(ユーノスFX、現実にはマツダのユーノスブランドは1996年に廃止)と後ろの車もミラーがありません。このシーンでは、後ろのバスや隣の車線にいるワンボックスカーはミラーがついていますし、他のシーンでも車によってミラーの有無があるので、過渡期にある事が伺えます。

 ちなみに、このパトレイバー2に登場するほとんどの乗用車をデザインしたのは、河森正治氏。10年後が舞台ということで、10年も経つと車のデザインも空力性能からもっと丸っこくなるとラフデザインをしたそうですが、パトレイバーメカデザイナーである出渕裕氏からのオーダーで、四角さを残すデザインになったということです。

 ほとんど映らないので分かりづらいのですが、上記のバスのフロント部や、パトカーでいくつか丸さのある車がデザインされています。そして、四角さの残る車としては、荒川というキャラクターが使っている車が角張っており、更にミラーレスです。

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出典:映画『機動警察パトレイバー2 the Movie

 余談ですが、パトレイバー2の世界には、現実でも見かける普通乗用車のナンバー以外に、荒川の車の様な横長ナンバープレートが存在します。現実でも、10年以上前にナンバープレートのデザイン変更が検討された事があるのですが、その後続報を聞かないので、駄目になったんでしょう。

サイドミラー代わりのカメラ・モニター

 車体後方を捉えるカメラはどこにあるのかというと、車の屋根後方にある情報アンテナに装備されていると設定画に書かれています。ではミラー代わりのカメラで捉えた映像はどこで見るのか?ということですが、設定画には運転席周りの物もあります。

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出典:『機動警察パトレイバー2 the Movie』設定資料全集

 これによると、ウィンカー、ワイパースイッチの左右にモニターがあります(ハンドルにもボタンらしき物が見えますね)運転席左のシフトノブやコンソールが斜め面になっているのは、この車がユーノスブランドという事で、マツダRX-7あたりからの継承でしょうか?