読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

イングラムの名

パトレイバー アニメ

イングラム

 警察用パトロールレイバー(パトレイバー)、特車二課第2小隊が使用している98式AVはイングラムと呼ばれていますが、これについて一部の記述で「INdeterminate GRound Armed Mobile」の略だとされている件について、ちょっと書きます。

f:id:oheru:20141216224553j:plain

 実写版パトレイバー全7章前売券のデザインにも、この「INdeterminate GRound Armed Mobile」の文字が組み込まれましたが、デザインがネットで公表された時期にゆうきまさみさんのツイートでこの様な物がありました。

 こう言うのも当然なはずです。イングラムの名前については、ムック本のインタビューでこのように語っていらっしゃいました。

イングラムという名前は?

ゆうき 僕が勝手につけました。

ーやはりサブマシンガンイングラムから?

ゆうき いや、あのときはイングラムという単語があったけど、何の名前だったかな、みたいな感じで。銃から取ったという意識はないんです。語呂がいい、「G」も入ってるし「ン」も入ってるからいいかなって。

ー人気ロボットアニメでよく使われる文字が入っていると(笑)。

ゆうき イングラムって名前をいつつけたかは覚えていないな。『バイドール』のときはバイドールがメカの名前だから、企画が『パトレイバー』に変わってからイングラムが生まれたのは間違いないですね。でもどの段階でイングラムになったか定かでない。おそらく、98式AVという名前がついた前後だと思いますよ。

出典:機動警察パトレイバー クロニクル(別冊宝島

 手元にある資料を探ってみると、バンダイから発売中の機動警察パトレイバーマスターグレードプラモデル組み立て説明書の解説にも、前述の略は載っています。

 古い資料だと「PATLABOR THE 3D」('89 平成元年9月発行)という、月刊ホビージャパンで掲載された作例(おもにガレージキット)をまとめた本に同様の記載があります。

f:id:oheru:20141216225431j:plain

 この頃のホビージャパン誌は、パトレイバーメカデザイナー出渕裕さんもイラストで参加した独自のレイバー企画(ブロッケンの派生機やヘルダイバーの夜戦仕様、NY市警に配備された零式ことクラッシュバスターなど)を展開していました。

 イングラムの略はホビージャパンオリジナル設定として出てきたもので、その後この記述が引用され、実写版パトレイバー前売券のデザインとして公式的に使われるに至ったのではないかと推察しています。

 「これ以前に記事で出ている」などの情報を知っている方は具体的な雑誌名などを是非お知らせ下さい。特に「COMIC BOX」1990年2・3月合併号に

という記事が載っていると聞いていますが、入手出来ておりません。特に鹿野氏はこの雑誌の他にもLDボックスの特典冊子にも98式イングラムの技術的側面からの記事を書いていらっしゃるので、何か私の知らない情報が書かれているのではないかと、非常に内容が気になっております。

追記

 Twitterで、以下の書籍の事に触れている方がいらしたので、その事も触れてみたいと思います。バンダイより平成2年12月に発行された「ENTERTAINMENT BIBLE.23 機動警察パトレイバー 大図鑑2」(企画・構成・編集/スタジオ・ハード)のイングラム開発史のページにはこう書かれています。

 97年夏、<MPL-X98AV>および<AL-X99AV>の愛称が社内で募集され、決定した。今では、なじみぶかいものとなっている<イングラム><ヘルダイバー>である。ところが、これには余談がある。<イングラム>という名称を応募したのが、なんと<ヘルダイバー>開発主査のI氏であったのだ。

「いや、笑うしかない話ですね。もちろん<ALX-99AV>の方にも応募したんですよ。ただ、そっちは趣味に走りすぎました。まあ、<イングラム>というのも趣味なんですが……」残念ながら、そのI氏が応募した<ALX-99AV>の名称は教えてもらえなかった。

 この大図鑑は1〜3まで出ており、共通しているのは、レイバーの設定画を使ったレイバーカタログで、各巻で異なる内容は、1には特車二課の活躍を新聞から抜粋した「1999新聞スクラップ」、乗車時の心構えを説明する「レイバー安全運転読本」が収録、2にはレイバー隊員に配布されるマニュアルより再編集した「レイバー格闘教本」、最新レイバーの批評論「良いレイバー悪いレイバー」が収録。

 ーーー追記ここまでーーー

 

 余談ですが、この頃B-CLUBから発売されていた「LABOR GRAPHIX」と言う本などでも、「一部編集部の創作加筆を加え作成したものであり、パトレイバーシリーズの正式設定とは異なります」というような注釈を入れた本が売られていたりしたので、二十数年を経て結果的にヘッドギアの面々も知らないような設定がいつの間にか半ば公式化してしまった、という感じではないかと思われます。