サンダーバードSことTHUNDERBIRD SHADOWですが、このデザインが日本から参加の河森正治氏というとこで、プレス向け試写・声優発表会や、先行放送時のミニコーナー、スペシャル番組に登場したりと、引っぱりだでした。
追記:トレーシー島からの発進や、第25話「さらわれたエージェント」などでは飛行機離れした機動をしてますが、機体各所に姿勢制御ノズルが設けられており、それらを使って垂直離着陸だけでなく色んな所に取り付いたり出来る設定なのです。クラシックシリーズのスカイシップ号のように、重力制御使ってないだけまだリアリティのある説得力を持たせられている機体です。
このサンダーバードSだけ他のサンダーバードと違って浮いて見えるとか、SR-71ブラックバードみたい、サンダーバードぽさが皆無、というコメントをよく見かけるのですが、実際のところどうなんでしょう?
サンダーバードSのデザイン要素
サンダーバードS号については、夏の先行放送で本編放送後にあったミニコーナーで河森氏のインタビューが放送されました。
その際にサンダーバード2号の尾翼や前進翼のデザインを取り入れたと語っていましたが(これはウェタワークショップのスタッフにも好評だった模様)、11月に放送されたスペシャル番組でも
一応要求としてはサンダーバードの中の機体なんだけども、ケーヨって存在自体がトレーシーファミリーとちょっと違う所から護衛する任務で来るんで、気持ち戦闘機のテイストを入れて欲しいという話と、まあステルス機というよりは正確には忍者のような要素、色んな所にちょっと隠れたりとかちょっと変わったアクションをするんでって話が来たので、少し救助メカよりは戦闘機っていうかね、ファイターテイストちょっと入れてますよね。
せっかくニュージーランドが作ってるってことだったんで、この機体って横から見ると丸っこい頭にクチバシが長いキウイの形、ニュージーランドの、そのモチーフを入れてるんで。
と語っていました。
長い機首はキーウイやサンダーバードと同じ60年代に開発の軍用機SR-71ブラックバードからインスピレーションを得ているそうです。
情報量が多いと一応あるサンダーバードぽさが伝わらないらしいので、減らしてみると……
こんな感じで前進翼と尾翼、エンジンノズルがサンダーバード2号ぽい。そもそもこの戦闘機ぽい機体自体がサンダーバードらしくないという話もあるようですが、サンダーバード6号もなかなかサンダーバードらしくないですけどね。
ついでにTwitterで見たS号を寸詰まりにさせたイラストはこんな感じでした。
また、「サンダーバード ARE GO公式ガイドブック」のインタビューでも、4ページに渡りサンダーバードSや番組ディレクター・スタッフとのやり取りなどについて語っています。
そのインタビューによると、戦闘機型以外にも何種類もラフデザインを提出した中からこの形が選ばれたそうで、あちらからのオーダーで新シリーズのサンダーバードに共通するインテーク(空気取り入れ口)デザインをSにも取り入れたことや、普段するデザインではこんなに真ん丸なエンジンノズルは描かないが、世界観から外れないよう2号や他のサンダーバードにある円筒形のデザインを取り入れた、とも語っています。
公式ガイドブックには、サンダーバードSの各部名称や機能の注釈がついた決定デザインやカラーリング見本、ラフ案(機首の長くないタイプ等)のイラストも掲載されているので、プラモデラーの方やS号に興味のある方には参考になると思います。
5月追記
関連しそうな記事が公開されています。
上の2つの記事は詳しくインタビューされています。監督が来日した事、サンディエゴのコミコンで制作のリチャード・テイラー氏やシリーズ構成の脚本家と集まる機会があったなど語っています。
サンダーバード:マクロスの“原点” 新メカデザインの河森正治監督が語る 50周年の魅力 - MANTANWEB(まんたんウェブ)
サンダーバードSの出番は……
既に日本放送されたエピソードを見ても分かるように、世界的な紛争が終結してだいぶ経った世界が舞台になっており、さらに世界防衛軍GDFなる組織もある世界で、1965年シリーズほど秘密保持にシビアではないということが見て取れると思います。
ではどこでサンダーバードSの出番があるのか?と言ったところですが、海外から入ってくる情報では、全26話中19話まで放送されたがまだまともに出番は無いということです。