よろず手控え帖

追記の多いブログ

サンダーバード ARE GOと大相撲

 大相撲の夏場所が新型コロナの影響で中止になりました。

www.nikkansports.com

大相撲はWikipediaから引用すると

 

開催月 正式名称 通称 会場 開催地 初日
1月 一月場所 初場所 両国国技館 東京都墨田区 第1もしくは第2日曜日
3月 三月場所 春場所
大阪場所
エディオンアリーナ大阪
(大阪府立体育会館)
大阪府大阪市浪速区 第2もしくは第3日曜日
5月 五月場所 夏場所 両国国技館 東京都墨田区 第1もしくは第2日曜日
7月 七月場所 名古屋場所 ドルフィンズアリーナ
(愛知県体育館)
愛知県名古屋市中区 第1もしくは第2日曜日
9月 九月場所 秋場所 両国国技館 東京都墨田区 第1もしくは第2日曜日
11月 十一月場所 九州場所 福岡国際センター 福岡県福岡市博多区 第1もしくは第2日曜日

と隔月で開催され、テレビでは夕方に放送されていた訳ですが、ここの時間帯にぶち込まれたのが『サンダーバード ARE GO』シーズン1です。この枠で放送されるという事は、大相撲の期間2週間程度とはいえ、1カ月おきに放送できなくなるのは既定路線。

 ちなみに私は別に相撲が嫌いではありません。どちらかというとせっかちな性分なので、長くても数分で取り組みが終わる相撲はむしろ観戦するスポーツで好きな部類です。なので、こういう編成は非常違和感がありました。昔、アニメは野球やスポーツで休みになることが多く、ファンから敵視されるような感じでしたから、その矛先が相撲に向けられるのは非常に嫌でした。

 放送開始当時にNHK東北新社関係者が登場したネット記事によれば、

business.nikkei.com

土橋:比較的初期段階から総合テレビでの放送を想定して交渉していましたが、それはサンダーバードの話題性やバリューを考えたからなんです。でも実は総合テレビの責任者がサンダーバードのファンだったことも少なからず影響してます(笑)

―― 総合テレビで午後6時台と言えば「少年ドラマシリーズ」もそのあたりでしたよね。

土橋:「少年ドラマシリーズ」もですが、昔は総合テレビに「ひょっこりひょうたん島」や「プリンプリン物語」のような人形劇や「600こちら情報部」など子ども番組が沢山ありました。でも、ある時期からそうした番組は、教育テレビ(Eテレ)に集約されていったんです。制作サイドのITVもキッズやファミリー層に見てほしいと言っていましたし、完成版を見てみて、大人の鑑賞に堪えられる作品だけど基本はキッズ向けに作ってるよなとも思いました。でも、総合テレビにはそういう枠はないし…だから年が明けてから、具体的にどう編成するのか議論してましたね。

―― 「どう編成する」というのは、どういう意味ですか。

土橋:どういうターゲットに向けて、どういう時間帯にやるのがいいのかを検討し始めた、ということです。2012年から土曜の午前に子ども向けのアニメ枠を復活させて「銀河へキックオフ!!」「団地ともお」をやってきましたが、定着させるのは難しかったです。なので、TAGもどうやれば、より多くの視聴者、特に子どもにも見てもらえるのか悩みました。

土橋:そこで、いきなり定時放送ではなくて、昨年の8月、9月に特集として午後6時台に編成してみたんです。6時台に新シリーズ、深い時間(深夜枠)にオリジナルのサンダーバードをセレクションで放送して。けっこう話題にもなって、僕らもここで手応えを感じたので、昨年10月から土曜の夕方の5時35分で定時化して、第1シーズンの前半13話を3月までやりました。

藤岡:4月から後半が始まったところです。放送時間は5時5分からになりました。

―― マニア向け、とは考えなかったんでしょうか。

土橋:当初は、深夜帯にやる議論もあったんです。「実はコア(なファン)向けなんじゃないの」という意見もありました。でも、特集でやってみて視聴率やいろいろなデータを分析してみて「必ずしもオールドファンだけじゃなくて、いまの子どもも見るよね」と判断したわけです。

―― 具体的に、視聴率として良かったんですか?

土橋:視聴率は悪くありませんが、飛び抜けて高い!というほどでもなかったです。

 定時放送が始まってからは、土曜の夕方には大相撲中継が定期的に入り、さらに野球やゴルフなどほかのスポーツ中継もチョコチョコ入るので、TAGの編成が飛びとびになってしまっています(汗)。なので、視聴者ふれあいセンター、いわゆるお客様窓口には、見逃してしまった回の再放送のリクエストだったり、「いったいいつ放送するんだ」というお叱りのお電話をよくいただくんです。「孫と楽しみにしているのに、今週も放送がない!」という風に。

―― なるほど。昔のシリーズを愛している人々が、お子さん、お孫さんと一緒に50年振りの新作を見るというのは、理想的な、幸せな状況ですよね。

この様に語られています。

 深夜放送の話が出ていますが、実際に深夜に再放送が行われ、夕方には在宅していなかったような方々(大人とか)が知る機会になっていたのは、当時のツイッター検索でかなりヒットしてましたし、そこから熱心なファンになった人もいましたから、深夜再放送の意味はあったと思います。そして最後の方で大相撲中継に触れていますが、この時間帯の枠でやることが決まった時点で、こうなることが分かっていないはずがないんです……

 その後、『サンダーバード ARE GO』シーズン2は有料チャンネルの「スーパー!ドラマTV」で放送され、今後シーズン3の放送も決定とアナウンスされています。 

mech.hateblo.jp

 

mech.hateblo.jp

 今後地上波のテレビ局でシーズン2と3が放送されるかどうか、かなり怪しいでしょう。シーズン2の放送が終わって数カ月経ちますが、日本国内でのビデオソフト化の話も聞こえてきません。夏場所休止で空いた枠でシーズン1のセレクション再放送でもすればいいんですよ……まったく。

 しかし、やはり一番不憫なのはNHKの放送でファンになった子供たちでしょう。彼らが目にするであろう媒体では、シーズン2や3があるなんて報じられていないので、そもそも存在が知られていない可能性が高い。そういう子供たちの中にも、YouTubeやなんかを自力で検索して存在を知るような子供もいるでしょうが、少数派でしょうね。そこがファンとしても、制作サイドのITVが「キッズやファミリー層に見てほしい」と言っていたとNHKが言っているのも、やりきれない……

パトレイバーとブルックリン・ナイン-ナイン

 『ブルックリン・ナイン-ナイン』という海外ドラマがあります。日本ではネットフリックス(日本語吹替も有)で配信中なのですが、この作品はWikipediaの概要を引用すると

ニューヨークの架空の警察署「ニューヨーク警察99分署」を舞台にしたコメディドラマ。堅物の署長レイモンド・ホルトとお調子者だが仕事は出来る刑事ジェイク・ペラルタを中心に警察署内、街中、仲間内で起こる様々な事件やトラブルを描いている。

と言う感じのドラマです。

 この作品は2013年からフォックス・ネットワークで放映され、第5シーズンまで放送したFOXが打ち切りを発表し、その後はNBCで放送されることになるほど根強い人気があるわけです。

www.tvgroove.com

何の関係が

 この作品とパトレイバーがどう繋がるのかと言うと、海外の人に言わせると

  • 『ブルックリン・ナイン-ナイン』は、ロボットのないパトレイバーだったり、
  • アニメ版の『ブルックリン・ナイン-ナイン』は『パトレイバー』だったり、
  • パトレイバー』はブルックリン・ナイン-ナインにロボット要素を足した感じ

という感じ。まぁもちろん『ブルックリン・ナイン-ナイン』視聴者の中で『パトレイバー』を知っている人のみがそう言っているんでしょうが、ネットで検索すると結構このことが出て来ます。

アメリカ版?

 今もそう考えているのか分かりませんが、現在パトレイバーの権利を管理している株式会社ジェンコの真木社長(新作EZYのプロデューサーでもある)は2017年夏にwebラジオ番組に出演した際にこう言っています。

agonp.jp

「今新しいアニメーションを作り始めてます。作り始めてますって言ったって、まだシナリオも出来てないから。ま、一体何年にね……」

(略)

「原作者5人から権利の管理を任されたっていうことが一つ。でそれにともなって、じゃあ新しいパトレイバーのアニメーションを作ろうぜっていう。今まあプリプロって言うのかな、企画段階ですよね」

(略)

「これもアニメと実写と両方やりたい。実写はハリウッド。押井さんがやるんじゃなくて。押井さんはほらもうやったからさ、パトレイバー実写やったからね」

(略)

「これはやっぱりハリウッドと組んでやりたいなと思ってますね。まあ夢ではあるけども、アタックをして行けば、ああこういう風にしたら出来るんだっていうのが出てくるかもしれない」

(略)

「いわゆるシリーズ+映画、計画中で、何年になることやらね」

こんな感じで、アメリカでやりたいようです。そんなわけで、パトレイバーの海外での人気はどうなのかな?と色々検索しているうちに、『ブルックリン・ナイン-ナイン』に行き当ったわけです。

 この2作品でTwitter検索してみると、『ブルックリン・ナイン-ナイン』シーズン1が終わった頃には既にそういうツイートがあります。

パトレイバーがかわいい。本当にブルックリン・ナイン-ナイン/パークス+レック with メカです。

ここで挙げられているParks +Recというのは、『パークス・アンド・レクリエーション』というドラマのこと。これもコメディドラマですね。

ja.wikipedia.org

 こんなのもあります。

パトレイバーは一時期 法と秩序とロボットと宣伝されていましたが、そうではありません。

それはブルックリン99とロボットです。

 

機動戦士パトレイバーは、もしもブルックリン99にメカがいたらというアニメです。 

最初のアレはよくある間違いなのでスルーします。

 

彼らがパトレイバー2のようなブルックリン99の映画を作った場合を想像してみてください。

 

実写版パトレイバーだけど、CLAT&ブルックリン99のキャストだよ。 

当然、クライムレイバーアタックチームの方のCLATの事でしょう。

 

ブルックリン99 パトレイバークロスオーバー ツイートを送る

この2作品のクロスオーバーという発想

ブルックリンナインナインは基本的にパトレイバーですが、ロボットがいないのですね。確認してください。

 

ブルックリン99はロボットがいないだけのパトレイバーです。

 

ブルックリン99を待つ人たちはパトレイバーを見るべきかもしれない。

ただアイデアを出しているだけですよ。

 

↑のは番組の放送局が移動する時期のツイート

 

HIMYMが終わったので、ブルックリン99を見始めました。

このシリーズはパトレイバーだな

リメイクアメリカンノーメカパトレイバー

 

押井がゴーストバスターズに似たパトレイバーのハリウッド映画化を見たいって言ってたけど、もし実現するとしたらメカを使ったブルックリン99にしてほしいわ。

この押井さんの発言は↓の記事のですね。

jp.ign.com

 

機動警察パトレイバーは、1999年のはるか未来を舞台にした80年代のSFメカシリーズです。繊細な世界観とかわいらしいキャストが魅力のシリーズ。このシリーズのトーンは、ブルックリン99のエピソードからトム・クランシーの小説まで、さまざまです。

トム・クランシーの話が出て来たのはいかにも外国です。

ブルックリン・ナインナインのキャストが基本的に同じ役を演じるパトレイバーの実写化のアイデアが頭に浮かんできて、それが吐き出せない。

 

ブルックリンナインナインはアメリカン実写版パトレイバー(メカなし)は、私の考えを変えます。

 

誰も知らないけど、パトレイバーのファンフィクションを書いていて、オリジナルのキャストがいて、ブルックリンナインナインのような流れなんだけど、キャラクターの命のバトルロイヤルに逸脱している。

やっぱり海外にもこういうファンがいるんですね

 

パトレイバー=ブルックリン99+巨大ロボット

 

とまぁ、Twitterではこんな感じで結構な数あります。他にもブログとか色々SNSはあるので、そういう所にもあるでしょう。

 

 日本のネットフリックスでも配信してるので、気になった方は一度ご覧ください。日本語吹替版もありますから。

ブルックリン・ナイン-ナイン | Netflix

amassのNebula-75についての記事

 新型コロナの影響でロックダウンされているイギリスで、『サンダーバード』などで使用されたスーパーマリオネーションという手法を使用して、新作品が作られたという記事がamassというところで出ています。

サンダーバード』の伝統を受け継ぐ新作スーパーマリオネーション・ドラマ『Nebula-75』公開 ロックダウン中に制作 - amass http://amass.jp/134209/

 この記事の中でこう書かれています。

英国の特撮TV番組『サンダーバード』を手掛けた英Century 21 Films(旧:APフィルムズ)は、2020年のロックダウン(都市封鎖)中に、既存の人形と素材のみを使用して制作した新しいスーパーマリオネーション・ドラマ『Nebula-75』を公開しています。

 この文章を見てどのように受け取りますか?多くの人が「Century 21 Films(旧:APフィルムズ)という所が2020年に新作を作った」てな感じでしょう。

 しかし、この文章は間違いです。現在のCentury 21 Filmsは50年以上前に『サンダーバード』を制作した会社とは別会社です

www.century21films.co.uk

 たしかに今回制作したグループはそれまでに行った丹念な取材経験などを活かし、2015年にクラウドファンディングを利用して『サンダーバード』を3本作ったことはあるので、伝統を受け継いでいますが、APフィルムズ→Century 21 Filmsという変遷の会社が50年以上経って新作を作ったという形ではありません。

 amassがどういうメディアなのか、そもそもニュースメディアなのか分からないのですが、ニュースメディアなら個人がツイッターやブログで投稿してる物じゃないんですから、ちゃんと調べてから書いてもらわないと……

 

追記

amassのサイトを見てみたんですが、このサイトについてとか、運営者が誰なのかとか、会社なのかについて全く一切書かれておらず不明なので、まぁそういうニュースメディアなんて呼べるところではないですね。まとめ業者みたいなもんでしょう。

ーーー追記ここまでーーー

 

mech.hateblo.jp

 

 この会社はその2014年に公開された『Filmed in Supermarionation』に協力した映画製作者のグループによって設立された会社です。

 

mech.hateblo.jp

 

 このことは、同社がスーパーマリオネーションについてのアーカイブを公開しているwebサイト「Filmed in Supermarionation」のABOUTページにも書かれています。

 彼らはそれまでCMなどの短編を除けば、シリーズ作品としては1969年に放送された『ロンドン指令X』以降、失われかけたスーパーマリオネーションについて丹念に取材し、当時の関係者たちから人形操演指導などを受け、復活させた経緯があるのです。

www.filmedinsupermarionation.com

 

www.filmedinsupermarionation.com

 彼らは、スーパーマリオネーションに未来を与えようと活動しているのです。

youtu.be