サンダーバード・ARE GOで使われる「FAB」の意味

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FAB

 『サンダーバード』(1965〜)のリブート作『サンダーバード ARE GO』(2015〜)で「FAB」(エフ・エー・ビー)なる言葉を初めて聞いた方も多いと思います。

 この言葉は、クラシックシリーズ(1965年の方)の英語版では使われていたのですが、日本語吹き替え版で使われませんでした。これは当時の子供たちにも解り易くするためなどとも関係しています。

参考記事:BSファン倶楽部

で、どんな言葉なの?

 クラシックシリーズのプロデューサー ジェリー・アンダーソンと共に原作者で、元妻であるシルビア・アンダーソンが、映画『サンダーバード劇場版』(1966)のDVDに収録されている音声解説で、FABについて以下のように語っています。

デイビッド・レーン(監督)「FABは何の略?」

シルビア・アンダーソン“fabulous(素敵)”よ、あの当時の流行語よ

デイビッド「皆に“FABって何?”と聞かれて、“知らないよ”と答えてきた」

シルビア「ほんと、よく聞かれたわ」

デイビッド「“ファンタスティック”と同じだ」

fabulousを辞書で引くと、とても素晴らしい、驚くべき、とても楽しい、イカすといった意味があると出ています。日本だと叶姉妹が日常的に使っているので、ファビュラスと言う言葉を聞いた事ある方もいらっしゃるでしょう。ちなみにサンダーバードが初放送された60年代にビートルズも活躍していましたが、彼らはfab4(ファブ・フォー、素敵な4人)と呼ばれていたそうです。

 このように、英文の頭文字を並べたような略語ではなく、話の内容とは無関係に響きや語呂の良かった言葉を使っただけ、と受け取れる発言をしています。コメンタリーによると、流行語としてシルビアたちもこの言葉を使っていたようです。響きもかっこよかったので使った程度の話のようです。

 意味というかニュアンスとしては、クラシックシリーズの日本語吹替版において「FAB」「Yes Dad」「Yes Father」「Yes Sir」といった英語は、「分かりました」「了解」「はいパパ」「了解パパ」といった日本語に訳されています。ニュアンスはARE GOでも同じでしょう。

公式見解は

 番組プロデューサーのジェリー・アンダーソン氏の公式サイト(Anderson Entertainment)にある、「よくある質問と回答」にも「FAB」とは何なのかという項目があり、シルビアが語ったのと同様に「fabulous(ファビュラス)」が挙げられています。

 「よくある質問と回答」の締めには

誰かに「FAB」は何の略語なのかと尋ねられた時、あなたは公式の回答を教える事が出来ます。何の略語でもありません!と

と書かれています。どう言う訳かと言うと

サンダーバードのFABは何の略語ですか?

シンプルな言葉が答えです。何の略語でもありません!

60年代の流行語「fabulous」、これが「FAB」と短縮され『ロジャー』または『14(テン・フォー)』のような、通信内容を確認、了解したというコールサインとして用いられました。

それが何かの頭文字を並べた略語だとしたら、私たちが聞いた中で可能性が高い意見は“Fully Acknowledged Broadcast”です。

 ストーリー上で使われているFABの意味としては、「了解」とか「分かった」。じゃあそのFABは何かの略なのかと言ったらそうではなくて、響きがいいしかっこいい流行語「fabulous」の短縮形であるファブ=FABを採用した、ということです。

 上で挙げられている“Fully Acknowledged Broadcast”は、後付けで丁度良いのがこれであって、これが正しいと言う事ではないと思います。

 確かに、この言葉は無線用語として「通信内容を承認した」的な意味で使われる言葉だったので、英国空軍に従軍していたジェリーたちがこの用語を知っていたとしても、不思議ではないと思いますが……

 “Fully Acknowledged Broadcast”が正しく、“fabulous”ではなかった。と断言しているブログ記事やWikipedia等々がありますが、一応製作の中枢にい た人物が語った内容や、公式見解が一切書かれておらず、少々乱暴な結論だと思います。

 「製作側の言い分を鵜呑みにするな」という方がいらっしゃるかもしれませんが、そもそも嘘や偽情報を言いふらす必要があるようには思えません。

了解・準備よし以外での使用

 国際救助隊ロンドン支部のペネロープが乗るピンクのロールスロイスの ナンバーが「FAB1」、彼女の持っている船が「FAB2」と名付けられていますし、ペネロープが国際救助隊に参加する前に所属していたという設定がある諜報組織も「Federal Agents Bureau」です。だからといってこの組織の略だという訳でもないです。

 このように返答以外に「名称」としても使われていた事をみても、物語の設定上なんらかの単語の頭文字を組み合わせた「略語」として使われていなかったのが分かるかと思います。

 サンダーバードの人気がある本家イギリスや他の英語圏で「FAB」はこの番組を表す象徴的な言葉にもなっており、ファンクラブ会報誌の名前などに使われています。

 余談ですが、ちなみに『サンダーバード』の前の作品『スティングレイ』ではPOWR(Proceeding With Orders Receivedの略とされる)がFAB同様の返答の言葉として使われていました。

 そして、FABについてあまりに頻繁に聞かれ、その度にこのはっきりしない内容を説明するのが面倒になったのか、サンダーバードの次作『キャプテン・スカーレット』では、SIG(スペクトラム・イズ・グリーン)というちゃんとした略語を返答の言葉に使う形に戻っています。

2017年1月27日追記

 タカラトミーYouTubeチャンネルで『サンダーバード ARE GO』第1〜13話の期間限定・無料配信するそうです。

www.takaratomy.co.jp

 

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