マスターファイル 機動警察パトレイバー98式AVイングラムという本が発売されました。イングラムの内部図解イラストやCGなどが豊富で、レイバーに興味のあるファンなら見ていて楽しいはずです。
パトレイバーでこの手のレイバー解説本は何度か発売されたことがありますが、アニメ・マンガ・小説等メディアによってパラレルワールドで差異があることを、一つの世界に上手くまとめられた一般書籍は多分ないと思います。
なので、今までに出版された本ではこの点が執筆・編集者の苦労するところとなっているようです。まずは本の編集方針などを否定することではないのを強調しておきます。今回発売されたマスターファイルもメディア違いによる差異に苦労しているようです。無理にメディアごとの差異を一つにまとめず、メディア毎にまとめた本を出してくれる出版社があれば良いのにとも思いますが……
しかし、それよりも公式設定ではないことが明記されている本から、商品パッケージ解説に本の記述が流用されてしまう事の方が問題です。
数年前にバンダイのROBOT魂でイングラム1号機が発売されたのですが、そこでは「ザ・レイバー・インダストリー」という本の記述内容が使われました。
それは、イングラムのバッテリーがリチウムイオン式であるという記述です。ここではアニメ本編オープニングでもSCB(超伝導バッテリー)と言及されているのに…というような話は置いときます。
それはザ・レイバー・インダストリーに、『機動警察パトレイバー』の世界を新たな視点で再構築するという方針があった本だからです。
↓編集・執筆で参加した方のブログ記事
この本の冒頭には「公式設定ではない」と注釈があるのにも関わらず、バンダイはこの記述をそのまま使いました。パトレイバー版権管理会社であるHEADGEARや、版権運用会社であるジェンコがどういう監修や許可していたのか知りませんが、公式設定ではないと書いてある本の記述が別商品、しかも主役機の立体物商品に記載されてしまうのはどうなんでしょうか?
今回のマスターファイルもメディア毎の差異を吸収するために、新たな解釈(ここではあえて設定とは書きません。この本を作る上でのことなので解釈にします)が行われています。別にそれは良いのですが、今後パトレイバーグッズが商品化される際「公式設定ではない」とされている本を出典として解説文などが書かれる事がないよう、版権管理元や商品化するメーカーに願いたいところです。
HEADGEARの高田さんもマスターファイルが手元に届き、以下のようなツイートをしています
https://twitter.com/AngelTouchPlus/status/1440877609890418692