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映画『サンダーバード55/GOGO』情報解禁

プレスリリース

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サンダーバード55/GOGO』

 

www.tfc.co.jp

東北新社が日本におけるライセンスを所有・長年にわたり運用する「サンダーバード」。1965年に本国イギリスで、翌1966年には日本でも放送が開始されるや一大ブームを巻き起こし、世代も国境も超えて世界中で愛される特撮人形劇の最高傑作が、本年日本放送開始55周年を迎えました。
日本放送開始55周年を祝して発足した「サンダーバード55周年プロジェクト」の目玉企画である、最新作『サンダーバード55/GOGO』をSTAR CHANNEL MOVIESとして配給、2022年に劇場公開&デジタル配信いたします。
本作は、本国イギリスの熱狂的なサンダーバードファンのクラウドファンディングによって制作された3話のエピソードを日本公開用に独自に再編集した特別版で、オリジナルの新作公開としては1968年公開『サンダーバード6号』以来、実に54年ぶりとなります。

サンダーバード55周年プロジェクト」では本作の公開のほか、シネマコンサートや希少なグッズの発売、そして9月からのBS10 スターチャンネル長期特別企画放送など、さまざまな企画を予定しています。
今後の展開にぜひご注目ください。
55周年特設サイト:https://www.tbjapan.com/

サンダーバード55/GOGO』
プロデューサー:スティーブン・ラリビエー
監督:スティーブン・ラリビエー、ジャスティン・T・リー、デヴィッド・エリオット
脚本:アラン・フェネル、デヴィッド・グラハム、デスモンド・サンダース
特殊効果監督:ジャスティン・T・リー、スティーブン・ラリビエー、デレク・メディングス 音楽:バリー・グレイ スーパーバイザー:デヴィッド・エリオット
オリジナル製作:ジェリー・アンダーソン、シルヴィア・アンダーソン
原題:THUNDERBIRDS THE ANNIVERSARY EPISODES(「INTRODUCING THUNDERBIRDS」, 「THE ABOMINABLE SNOWMAN」, 「THE STATELY HOMES ROBBERIES」) 製作国:英 配給:STAR CHANNEL MOVIES
Thunderbirds ™ and © ITC Entertainment Group Limited 1964, 1999 and 2021. Licensed by ITV Studios Limited. All rights reserved.

 『Thunderbirds1965』こと『Thunderbirds The Anniversary Episodes』が劇場公開されるとのことで、嬉しい限りです。2018年2月にデアゴスティーニ『サンダーバード2号&救助メカ』完結記念 「サンダーバードファンの集い」というのが開催されたのですが、その際『Thunderbirds1965』を日本で見れるように東北新社が動いているという話が出ていたそうで、ようやくというわけです。

 

気になる点が多い

 ここで気になるのは、9月からスターチャンネルで長期特別企画を行うとしている点と、公式ツイッターアカウントで投稿されたこれ。 

 

 スターチャンネルサンダーバードの関わりというと、過去何度かスーパーマリオネーション版の放送を無料・有料の両方で行ったことがあるということ。スターチャンネル東北新社の関連会社で、同様に新社の関連会社であるスーパー!ドラマTVとともに『サンダーバード』の放送を、スカパーやひかりTV、ケーブルテレビなど経由で行っている放送局です。 

 

mech.hateblo.jp

 このときの無料放送は、『サンダーバード ARE GO』のNHK地上波放送と同時期に放送されました。さらに……

 

mech.hateblo.jp

 原題『FILMED IN SUPERMARIONATION』の短縮版が放送されたこともありました。

今回の展開 

 過去50年間は10年間隔くらいに民放キー局で再放送が行われてきましたが、シリーズ通しての地上波キー局放送は2003年のNHK教育テレビ(現在のEテレ)が最後(ARE GO放送時にNHK総合でセレクション放送があったのみ)。ここ15年くらいは、上述の2つの有料チャンネルで放送されています。

 2015年頃、東北新社スーパーマリオネーションシリーズの版権セールスをする際に、対象年齢層に想定していたのが30代〜50代男性でした。5年以上経っているので、現在は上がもうちょっと上がっているでしょう。そのせいもあってか、サンダーバードコラボ募集の記事内

「親がサンダーバードファン」といった20~30代の若年層を含む新ターゲットの開拓も狙う

とあります。

 若い層も2003年の教育テレビ再放送でファンになった層、その前の1992年のテレ東再放送(テレ東はテレビネットワークの関係で全国放送ではなかった)でファンになった層でも40~20代です。10代とかだとARE GOで知った世代も入ってくるでしょう。ただ、有料放送やレンタルなどだけでは若い層拡大は限定的でしょう。さらに現在、日本向けのネット映像配信サービスでスーパーマリオネーション版を配信しているところは存在しません。(以前はごく短期間バンダイチャンネルやU-NEXTだっかで配信されたこともあるし、サービス終了したスーパー!ドラマクラシックというネット動画配信サービスで配信されたこともあるが)

  団塊の世代の総数が多いので、最近はグッズの価格も高いものが多く、デアゴスティーニの「サンダーバード2号を作る」や「秘密基地を作る」も全部買えば20万とかの価格になってます。とはいえ、この世代の買い支えがなければ、今に至らなかった可能性があるので別に悪いと言っているわけではありませんよ。

 さらにプラモ関係は材料高騰の影響もあり、再販品も価格上昇が起きています。1992年頃は、文房具などの低価格帯の物からそこそこ高いスーパーファミコンのゲーム、総額が結構高いレーザーディスクBOXなど発売されました。その後2003年頃は食玩ブームがあって、着色作業にあたる中国あたりの人件費も安かったこともあり、今と比べればかなり安価に『サンダーバード』やジェリー・アンダーソン作品の食玩やグッズが数多く発売されていました。今回の展開ではどのようなグッズ展開をしてくるか楽しみです。

 前述したデアゴスティーニのイベントから3年以上掛かって公開決定の報ですから、かなり色々仕込みが出来たのではないでしょうか?色々な企画で幅広い人の心を掴んで、サンダーバード好きを増やして欲しいですね。

長期特別企画

 それはそうと、長期特別企画が有料なのか無料なのか。このブログで書いてきた内容的には、『THE NEXT GENERATION パトレイバー』展開時にもスターチャンネルで会員制企画や宣伝番組『週刊パトレイバー』をやっていましたね。あれは企画進行と撮影期間が被っていたのでネタがそれなりに豊富にありましたし、東北新社グループ挙げての展開だったので、かなりの金が掛かっていたということもあり、今回の場合はあんまり参考になりそうにないですね。そんなわけで長期企画でやっても、有料だと効果は限定的でしょう。そこを補うのがYouTube公式チャンネルということかもしれません。

 2015年の無料放送のときはサンダーバード公式ツイッターアカウントも存在せず、当時NHKで放送していた『サンダーバード ARE GO』公式サイトでも告知がなかったと記憶しています。なので、無料放送やってた事自体ほとんど知られてなかったと思います。

 スターチャンネルの方は番組本編や劇場版(スーパーマリオネーション版、人間実写版など)、上述ドキュメンタリーの放送などが想像できますが、Youtube公式チャンネルの方がどんな内容になるのか、とても気になるところ。

 ARE GOの展開時にタカラトミーチャンネルで行ったように、毎週1話づつスーパーマリオネーション版を期間限定で無料配信するとか、YouTuberやタレント、サンダーバード研究者などを起用して解説番組みたいなのをやるとか、本編から一部シークエンスを切り抜いて投稿するとか、そんなところでしょうか?様々な企画を予定しているとのことなので、東北新社の関係企業全体で色々やっていくのかも。

上映仕様の事も気になる

 あと映画で気になるのは、配給がスターチャンネル ムービーズな点、デジタル配信もやるという点。デジタル配信が公開と同時期なのか不明ですが、もしかしたら全国どこの府県でも上映される規模ではないのかも。

スターチャンネルムービーズのサイト

www.star-ch.jp

 ここが配給した前例を見てみると、デジタル配信はMIRAIL(ミレール) 、Amazon Prime Video、U-NEXTで行われています。上映規模の前例は、公開と同時に各都道府県横並びで開始ではない模様。全国一斉に出来ないので、デジタル配信で補完するというパターンが見えてきます。最近出た民間企業の調査報告では、日本におけるアマゾンプライムビデオのシェアはNetflixに続いて2位12.6%、U-NEXTも3位11.1%となっています。デジタル配信は割と多くの人が見られるシェアのプラットフォームになっているようです。

www.jomo-news.co.jp

 それと再編集版なこと。どういう編集をするのか。3話は独立したストーリーで連続性はないので、単純に3回あるオープニングやエンディングクレジットをひとつにまとめるのか?Thunderbirds The Anniversary Episodes公式がYoutubeにアップしている、製作舞台裏などが分かるメイキング・ドキュメンタリーの一部をくっつけたりするのか?ここも非常に気になる。

2021年8月13日追記

 構成を樋口真嗣さんが担当することが発表されました。ツイッターでこの事をツイートしています。

とのことで、再編集については前座と中座の構成を担当するそうです。テレビ版の映像を編集したりして、前座と中座に映像を付けるんでしょうかね?新たに撮影とかしない限り、それくらいしか出来ないと思うんですよね。それと今回の発表でも上映が字幕なのか吹替なのかは未発表。

---追記ここまで---

 

 デジタル配信をどこのサービスでやるのか、DVDやブルーレイソフト化があるのか、日本語字幕版だけなのか新たに日本語吹替を製作するのか、製作するとしたら声の出演は新キャストになるのか、新キャストになるなら現在の吹替版で現存しない箇所(字幕になるところ)も吹替を作る新吹替完全版を制作し、スターチャンネルで放送したりするのか、というところでしょうか。スターチャンネルは過去に「新録・完全吹替版」企画をやっているので、新録はありえない話ではない気がします。

 個人的には、あえてオリジナル日本語吹替版と書かせてもらうお馴染みの吹替版が今後もソフト化の際に収録される事が前提であれば、新録と新キャスト起用には否定的ではありません。

 

 しかし発表に突っ込まれる点が多い。まずオリジナルの新作というところ、日本語でオリジナルなる語がどういう意味で伝わるかが、かなり曖昧。どう受け取られるか大きく分けると、オリジナル=スーパーマリオネーションという解釈、もしくはオリジナル=新作ストーリー的な解釈が生まれる。つまり、2015年からつい最近まで制作された『サンダーバード ARE GO』と、2004年の人間実写版映画『サンダーバード』は、なかったことにされたと突っ込まれる場合がある。この場合、スーパーマリオネーションの新作と書けば良いところだけど、ファン以外にはスーパーマリオネーションという言葉の意味が伝わらない可能性がある。なので人形劇と穏当に書けばいいのに。

 それとサンダーバード公式サイトにラジオドラマと書かれていますが、基になった音源ってミニアルバム(レコード)じゃないですかね? クラウドファンディングでもずっとそう書かれていたんですが。追記:1990年代前半に、BBCのラジオで放送されたことがある模様。

https://www.kickstarter.com/projects/1558089494/thunderbirds-1965-new-episodes-from-1960s-recordin

ラジオドラマという言葉よりも、オーディドラマとか音声ドラマとか、もっと分かりやすい言葉があると思うのですが。案の定、発表を基にして書かれたweb記事の見出しにも、ラジオドラマと書かれちゃってますし。

2021年10月28日追記

 55のサイトで、音声ドラマという言葉が使われました

https://tb55movie.com/news.html#news211028a

---追記ここまで---

 

以下は基本的に上述の東北新社プレスリリースを基にしているので、追加情報はほぼない。

nlab.itmedia.co.jp

www.cinematoday.jp

mantan-web.jp

www.crank-in.net

natalie.mu

realsound.jp

article.auone.jp

www.agara.co.jp

www.rbbtoday.com

news.yahoo.co.jp

theriver.jp

av.watch.impress.co.jp

www.animatetimes.com