ファイアーストームのパイロット版
2015年初頭に「ジェリー・アンダーソン(サンダーバードのプロデューサー)が原案を務め2003年に日本でアニメが製作・放送された『FIRESTORM』。その原案を利用して、アンダーソン・エンターテイメントが人形特撮化しパイロットフィルムを製作をするために、クラウドファンディングで資金集めをしている」と言う記事を書きましたが、
そのプロジェクトは着実に進行しているようです。
人形お披露目
6月に行われた、Andercon(アンダーソン・エンターテイメン公式のジェリー・アンダーソンイベント)で、ファイアーストームに登場するキャラクターの人形などが展示されたようです。
上のリンクのブログでは、作中に登場するビークル「トルネード」のミニチュアモデル画像が出ています。1965年版サンダーバードのような、メカの巨大感を感じさせるローアングルからの構図がありそうな「トルネード」の構造に惹かれますね。
Firestorm puppet motion test reel... http://t.co/Luq0wqa4Qd
— Gerry Anderson MBE (@GerryAndersonTV) 2015, 6月 17
↑の映像はパイロット版に向けてのテストリールのようです。ちなみにキックスターターの出資者のみが閲覧出来るブログが開設されており、そこでは他にもプロジェクトの進行具合が公開されています。
追記
Firestorm miniatures are coming along nicely... @GerryAndersonTV pic.twitter.com/RSzUYFHYS5
— Gerry Anderson’s FIRESTORM (@SF9Firestorm) January 24, 2016
サム・スコットの顔が出来た版
Sam Scott has had a busy week fighting bad guys. Here he is taking cover! #firestorm pic.twitter.com/d7MAkNkphZ
— Gerry Anderson’s FIRESTORM (@SF9Firestorm) March 5, 2016
ナギサの人形
#Nagisa on the set of @SF9Firestorm The range of expressions on the #puppets is fantastic! #puppeteer #GerryAnderson pic.twitter.com/NJmbRcE8bs
— ANDREW JAMES SPOONER (@theonlyspoon) March 6, 2016
人形
人形は『ティム・バートンのコープス・ブライド』『ピングー』『チキンラン』などでも人形を作った「マキノン&ソーンダース」が手がけたそうです。
顔の構造としては、2003年リメイクパイロット版サンダーバードと同じで、顎自体が可動し、その上に樹脂の皮膚が被せてあり、瞬きも可能のようです。
人形を操る技術
ファイアーストームの取った方法は、2003年リメイク・パイロット版サンダーバードのように、支持棒による操演ですね。
この「棒で人形を操る」という方法は、VFXで支持棒を消す事が前提のもので、日本でも採用例がいくつかあります。結構前からシリーズ化しているアフラックのアヒルが出るCMは、長らくこの方法で撮影されています。
比較的最近の作品として、2012年7月から東京都現代美術館で開催され、地方巡回展も行われた「特撮博物館」で上映された『巨神兵東京に現わる』に登場する巨神兵の操演も、動かす人形の大きさが異なるものの同じ方式でした。
この時は樋口監督の「巨神兵は人間が入れるプロポーションではないので、文楽人形のように外から操演したら面白いんじゃないか」という提案で、この方法になったそうです。
さらにこの巨神兵のノウハウを活かし、スバルと進撃の巨人のコラボCM(2014年1月放送)が製作されました。
出典:zip
2015年8月に公開される実写映画『進撃の巨人』に登場する大型巨人も、この方式で撮影されているという噂です。
4月に樋口真嗣監督が新作日本版『ゴジラ』で監督を務める事が発表されましたが、もしかしたら『ゴジラ』でも何らかの形でこの表現手法を使ってくるかも? 追記:ゴジラの棒で操演する版も作られたそうですが、結果的に使われなかったようです。
パイロット版の先
話がそれましたが、この人形特撮版『ファイアー・ストーム』のパイロット版が完成した暁には、この方法での表現が評価され、シリーズ化に協力してくれるスポンサーが現れる事を願いたいと思います。そのときには日本放送も期待したい!…と思ったんですが、日本の各テレビ局の番組編成を見てると期待できそうにないですね。ディズニークラスのバックがないと、海外作品の地上波民放放送は現実的ではなさそう。そういうところはNHKにやってもらいたいところですが、サンダーバードARE GOの有様を見ると無理かな?しかし、NHKが出資して製作に噛めば扱いも違うはずなので、それに期待したいところもあるんですが、まぁ無理か。アマゾンプライムビデオとかネットフリックスと言った配信系の方がまだ希望が持てるかも。
追記
公式Twitterはこちら
2018年9月追記
映像は完成し、クラウドファンディング出資者に対するリターンやイギリスでプレミア上映が行われる予定だそうです。
SNSにも公式アカウントや制作関係者によって、メイキング映像みたいな物が公開されています。
More previews of some of Firestorm's puppets and models, while Steve Begg explains his approach to combining practical with digital for Firestorm's VFX! pic.twitter.com/eI4zBM7ER9
— Gerry Anderson’s FIRESTORM (@SF9Firestorm) September 6, 2018
この映像は制作に参加している、特殊効果スーパーバイザーのスティーブ・ベック(最近の映画007シリーズにも参加)による解説ビデオ。
1968: Derek Meddings works on Skyship One for the Thunderbirds film: Thunderbird 6
— Gerry Anderson’s FIRESTORM (@SF9Firestorm) September 4, 2018
2018: Richard Gregory and his team work on Ocean Storm for @GerryAndersonTV's Firestorm! pic.twitter.com/XCrZ3eCej8
#Ultramarionation continues and evolves skills and traditions that started way back in 1959.
— Gerry Anderson’s FIRESTORM (@SF9Firestorm) August 30, 2018
Left: Mary Turner working on an early Gerry Anderson puppet.
Right: One of the team at @MackandSaund putting the finishing touches to the sculpt of a 21st century Gerry Anderson hero. pic.twitter.com/xcWKsoY5bl
Check out the first official behind the scenes sneak peek from @GerryAndersonTV's Firestorm! Miniatures, real sets and Ultramarionation puppets. Are you excited? We are!#BehindTheScenes #teaser #SneakPeek #Puppet pic.twitter.com/87sUE9lLix
— Gerry Anderson’s FIRESTORM (@SF9Firestorm) September 1, 2018
You know Firestorm has puppets, you know it has miniatures, but of course... it wouldn't be a @GerryAndersonTV show without *proper* explosions!
— Gerry Anderson’s FIRESTORM (@SF9Firestorm) August 27, 2018
(It has lots of those!)
BOOM! pic.twitter.com/noqHIjVyIb
こんな感じで、爆破やミニチュア、メカが使用された人形特撮です。
2018年11月追記
完成したミニエピソードがYouTubeで公開中。PCやスマホ・タブレットのYouTubeプレーヤーから字幕の表示設定で日本語字幕が選べます。