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北米で劇場版サンダーバード、サンダーバード6号のブルーレイ2回目の発売

 日本では2017年4月末時点でサンダーバードの2本の映画

ブルーレイディスクは発売されていません。

 2000年代初めに発売されたDVDの方も廃盤となっているようで、市場流通分(恐らくもうかなり数は少ない)か中古で手に入れるしかありません。2枚組の廉価版も発売されましたが、こちらも同様です。

 ブルーレイは海外ではどうかと言うと、本国イギリスでは既に発売されていますし、日本よりサンダーバード知名度が低いといわれるアメリカでも2014年に発売されています。

 アメリカでは2014年にTwilight Timeという会社から限定3,000で発売されたのですが、今回は2017年6月にKino Lorberという会社に移って発売となります。

www.blu-ray.com

 UK盤と北米版の違いは、UK版は1枚のディスクに2作品収録、北米版は1作品ごとに2枚のディスクに分けて収録とかあるんですが、多少収録された特典が異なるようです。音声解説も収録されているのですが、それを含め大半の特典がDVD版の流用のようです。DVD入手しそびれた方には嬉しく、DVD持ってる人には物足りないといったところでしょうか。

 2014年発売・北米版の新しい特典としては、

  • セリフ無しの効果音・BGMだけの音声トラック(2作品とも)
  • 映画史研究家2人の音声解説
  • Making Thunderbirdsというドキュメンタリー(HD・23分)
  • クリフ・リチャードとザ・シャドウズのテストフッテージ(HD・17秒)※これは劇中のとあるシーンで参考にするために撮影されたモノクロ映像。

日本では

 日本では一向に発売の話が聞こえてきません。何年か前にファミリー劇場で2本ともHD・日本語吹き替え(2003年のNHK放送時新録音声、DVDもこの音声)で放送されただけで、劇場版2本のHDでのソフト化はされていません。

 そして日本国内では今年2017年7月に1本目の公開50周年、2018年8月には2作目の50周年を迎えます。このタイミングで発売してくれるのが一番だと思うんですが、どうなんでしょう?

噂の日本語吹き替え……

 映画版の2本は、日本語吹き替えが数種類あるのはWikipediaにも書かれている通りです。ただ、色々な事実を加味すると多少間違いがあるようです。サンダーバード6号のソノシートがあるのですが、これは劇場版の音声を流用しており、その音声を聞くとアラン以外の声の出演はTVシリーズと同じ、アランはWikipediaで新録版の欄にある石立鉄男氏と思われます。

mech.hateblo.jp

劇場版吹き替えの種類は

  • 日本での劇場公開に際し録音されたバージョン
    この音源はTV版キャストとほとんど同じで録音された。しかし紛失で使用出来ない状態にある、というのが昔から言われている話です。
  • テレビ放送に際し録音されたバージョン
    上記の音源が使用出来ないためか新録音された。キャストはTV版とは異なったメンバー。さらにテレビ放送用なので本編にカットがある。
  • VHS/LD発売に際し録音されたバージョン
    VHS/LD発売時に本編ノーカット用として、上記2つとは別のキャストで新録音された。
  • 2003年にNHK衛星と教育で放送する際に録音されたバージョン。
    TV版キャストを可能な限り集めて新録音したノーカット版。

があります。このうち『サンダーバード6号』の劇場公開吹き替え版は、ダイジェスト版的にその一部がソノシート化されています。

www.nicovideo.jp

 東宝特撮作品ではソノシートや販売用8mmフィルムが、DVD・ブルーレイなどの特典映像として収録されていますし、この『サンダーバード6号』のソノシートが入手出来れば、同様に特典映像として収録出来るのではないでしょうか?もしこれが収録されれば、ファンの購入意欲を煽る売り文句が出来るでしょう。

劇場版吹き替えの現在

 劇場公開版吹き替えに関しては色々情報があるんですが、2003年のNHK放送に際し捜索した結果、フィルム(音ネガ、初号といった具体的な情報は不明)を見つけたが、劣化が酷く音声は使えなかった。というのが当時のNHKウェブサイトに記載されていたらしいのですが、その後のサイトリニューアルなどでそのページは消失。今は確認しようもありません。

 あとはサンダーバードファンでサントラなどにも詳しい、アニメーターの高木弘樹さんからツイッターで伺った話があります。

  庵野さんが見たのが30年以上前の話らしい(氏はこの頃に「ザ・コンプリート・サンダーバード」というVHSの構成・編集を担当している)ので、現在そのフィルムがどうなっているのか……2003年頃に確認されたというフィルムがこれの事なんでしょうか?

修復は

 録音形態がどうなっているのか分かりませんが、ここ10年くらいでフィルム作品のデジタル修復技術は格段に向上しており、最近はフィルムの光学式サウンドトラックや音ネガと呼ばれるものからデジタルデータ化し、修復するシステムも登場しています。フィルムがよれていても大丈夫らしい。

av.watch.impress.co.jp

www.stereosound.co.jp

 上で触れたフィルムの状態がもうどうしようもなく、触れたら粉々になるとか、ビネガーシンドロームで溶けてるとかいう状態なら、現時点では手の討ちようが無いのかもしれませんが、なんとかなりそうなら予算をかけて修復して欲しい所です。なんてったって東北新社の黎明期を支え、同社の発展の基礎を築いた作品なんですし。多少価格が高くなっても、劇場版吹き替えが聞けるなら、という人は結構居ると思います。

 

 東北新社さんや、現在日本でUA映画のビデオソフト発売をしている20世紀FOXホーム・エンターテイメントさんにお願いしたいのは、最近多く発売されている「吹き替え複数バージョン収録」DVD・ブルーレイのように、サンダーバード劇場版2本も

  • (存在が確認されて修復ができれば)劇場公開時版、若しくは特典としてソノシート音源
  • 2003年のNHK新録版
  • 昔のTV放映版
  • LD・VHS版

の吹替版を収録した仕様でブルーレイを発売出来るよう、各方面に働きかけて欲しいです。

 何しろLD・劇場版「サンダーバード & サンダーバード6号」スペシャルBOX(ワーナー・ホーム・ビデオ発売)には、TV放送版とLDノーカット版が収録されていたんですし。

 

追記

 所有しているLD-BOX(最初に発売された2作セット+復刻盤のロビーカードやパンフレット収録の商品)をデジタル化するため見直してみたら、6号の方はこれノーカットではないですね。

雪山のレストランに付いた後のシーンで、ペネロープの「車の中はホカホカですの」の後~ミンミンとアランがFAB1に引っ張ってもらってレストランを出るところまで

がありません。

 劇場版2本はその後、シネマスコープサイズを4:3レターボックス収録したLDが発売されたのですが、こちらは入手しておらず音声がどうなっているか不明です。それと劇場版1作目の昔のTV放映版吹替はエンディングで原音と異なる編集がされていますね。

追記ここまで

人形劇『サンダーバード』のキャラを使った新CMのメイキング

 先日書いた

mech.hateblo.jp

の続報が来ました。

 

www.kickstarter.comThunderbirds1965のキックスタターのページが数ヶ月ぶりに更新され、今回のイギリスの銀行のCMのメイキングについて書かれています。

メイキング

 さらにメイキングの動画が公開されています。

www.youtube.com キックスタターの記事にも書かれているのですが、Thunderbirds1965プロジェクトのスタッフは

という会社で今回のCM撮影に参加したそうです。人形や舞台セット、模型を構築し、人形等の操作をしただけではなく、スーパーマリオネーションを撮影する方法などをアドバイス。また、今回のCMのために、ペネロープ邸全景模型も当時の映像などから復元したそうです。

 日本でもこの会社に依頼してCM作ってくれる会社無いもんですかね?日本語版スコットの中田浩二さんに声を入れてもらって……

 

 この会社のサイトにも書いてありますが「Filmed in Supermarionation」というスーパーマリオネーションのドキュメンタリーも作られています。

 このドキュメンタリーは2015年11月にスターチャンネルで放送され、

mech.hateblo.jp

その後、2016年4月にも放送されました。

 スターチャンネルというのは、サンダーバードの国内権利運用会社である東北新社と元々深い関係のある会社で、数年前に連結子会社化されたCSチャンネルの会社です。

 Filmed in Supermarionationが放送された同時期に、無料枠でサンダーバードを字幕吹替両方で連日放送すると言う事をしてたんですが、宣伝がほとんどされてなかったのでネット上ではあんまり話題になってなかったですね。

 今サンダーバードの放送をしているスーパー!ドラマTVも、東北新社と深い関わりのある会社なのですが、そっちでも「Filmed in Supermarionation」を放送してくれても良いんじゃないでしょうか?それとThunderbirds1965で作られた3エピソードはイギリスでは早くも衛星チャンネルで放送されたらしいので、日本でも放送してくれないでしょうかねー?

 ARE GOの放送と相まって、もう少し盛り上がると思っていたサンダーバード日本放送50周年の去年はパッとしなかった感があるので、今年で良いから何とかして欲しいところです。

Filmed in Supermarionation書籍版

Filmed in Supermarionationは、英語ですがKindle電子書籍版も発売されています。

Filmed in Supermarionation (English Edition)

Filmed in Supermarionation (English Edition)

 

 

ROBOT魂<SIDE LABOR>の動き

 

<SIDE LABOR>

 『機動警察パトレイバー』のレイバーをフィギュア化しているこのシリーズは、結構なペースで何らかの発表や展示がされているのですが、それを振り返ると…

  • 2015/10/31 魂ネイション2015にて1、2号機、タイラント2000が参考展示

 

  • 2016/05/12 魂ウェブ・ロボットフィギュアブログで<SIDE LABOR>始動の案内、魂フィーチャーズ2016(5月21、22日)開催に合わせ展示
  • 2016/05/18 1号機10月発売告知
  • 2016/05/20 魂フィーチャーズ2016新たに3号機、ファントム展示

 

 

  • 2016/05/31 魂ウェブ商店限定で2号機発売告知
  • 2016/06/01 1号機予約開始
  • 2016/07/29 パトレイバーREBOOTの発売・公開発表
  • 2016/08/25 月刊ホビージャパンにREBOOTの3ヶ月無料ネット配信についての情報が掲載(いつからかなのかは書かれず)
  • 2016/09/23 全日本模型ホビーショー新たにレイバーキャリア展示

 

  • 2016/09/27 1号機発売日(10月27日)案内
  • 2016/10/25 REBOOT1週間限定上映開始
  • 2016/10/26 2号機(指揮車・ペイントガン付)10月27日から受注開始案内
  • 2016/10/27 魂ネイション2016(28、29、30日)で新たにブロッケン、サターン、エコノミー、スタンダード展示

 

 

  • 2017/09/29 第57回 全日本模型ホビーショー新たにイングラム1号機&2号機パーツセット(PATLABOR the Movie)展示

  • 2017/10/20 Twitterバンダイコレクターズ事業部公式(魂フィ)アカウントにて、イングラム1号機&2号機パーツセット(PATLABOR the Movie)のサンプル画像掲載。

 

  • 2017/11/24 魂ウェブで2018年4月発売商品のグラビアが公開。また、イングラム1号機&2号機パーツセット(PATLABOR the Movie)の予約開始は11月28日。一般店頭販売で4月発売。

    tamashii.jp

  • 2017/11/30追記 魂ネイション2017内覧会で新たに<SIDE LABOR>グリフォンが展示(12月1日(金)~3日(日)秋葉原で開催)。POPには「tax in ¥8,640」と記載。発売日などは記載なし。

  • 2018/02/23追記

 バンダイコレクターズ事業部公式Twitterアカウントで<SIDE LABOR>グリフォンが7月・一般店頭発売予定と告知。バンダイのメルマガによると3月1日予約開始。

 

検索で集めた情報もあるので日付が数日前後するかもしれませんが、こんな感じです。

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一般店頭発売商品

 今のところ一般店頭発売されたのは、

 

 

 

 

 

 

これから発売予定の商品

 2018年7月にグリフォンが一般店頭発売されて、その後のラインナップは出てません。ただ、10月下旬に「魂ネイション2018」という展示イベントがあるので、まあ何かあるとすればこの時かもしれません。

バンダイのweb通販限定商品 

 イングラム2号機(指揮車とペイントガン付の限定版と付かない通常版)が既に受注終了、発送済み。

p-bandai.jp

 タイラント2000も既に受注終了、発送済み。

p-bandai.jp

 イングラム3号機がプレミアムバンダイ限定で発売予定。2017年10月23日(月)23時までで受注終了、発送済み。

p-bandai.jp

今後

追記:ある程度定期的に商品発売が行われていた頃に以下のようなことを書いたんですが、2018年7月にグリフォンが発売されて1年以上、次の商品が出る話が聞こえてきません。

 レイバーの機種数は、ROBOT魂として既に発表されているのを含んでも、50前後あります。これからもある程度のスパンで発売されて行くとすれば、人気があり過去にプラモやフィギュア等でも発売された「グリフォン」や「ヘルダイバー」あたりのを数ヶ月に1度の目玉にする戦略?今まであまり立体化されてこなかったレイバーの発売を主軸に、合間に人気機種発売という感じでしょうか?

 人気のレイバーを立て続けに出して行くと、後が続かないというか販売的に息切れする感がありそうですし、中には参考展示だけで発売されない、と言う事もあり得るので、どうなるか不安でもあります。

 テレビシリーズ放送の頃に発売された60分の1スケールのプラモデルは、ファントムやヘルダイバーなどまあまあ種類が発売されました。その後2000年代初頭に発売された35分の1スケールのMGプラモは、多少のバージョン違いがあるものの、結局イングラムグリフォンしか発売されませんでした。

 このことから、パトの立体物を期待しているファンの中には、グリフォンが出るとそこで打ち止めになるのではないか、という漠然とした不安があるのは確かです。

 バンダイ・コレクターズ事業部が出しているROBOT魂は、プレバンの受注生産とはいえ作業用レイバーが出ているので、過去のバンダイ・ホビー事業部が出した製品より、多彩な展開をしているのに好感が持てます。売り上げも関係するのでしょうが、今後も頑張ってほしいです。

 個人的にはROBOT魂で第2小隊のハンガーのジオラマベースとか出ると面白いと思うのですが、さすがに特車2課全体と言うのは規模的にも厳しそうですから、第1、2小隊どっちにでもなるハンガーみたいのがいいなあ。ただ、いくらになるか見当もつきませんが。

 それと、当初は宣伝パネルなどに「ON TELEVISION」のロゴを使ってたのでTVシリーズからのラインナップになるのかと思っていましたが、零式が出たとなると、最終的に漫画版にまで及んでも不思議じゃ無さそうですね。

 

今後のアンケートもやっている

 バンダイのWEBサイトでは購入者対象のアンケートも行っており、その中に今後出して欲しいレイバーや付属アイテムなどを答えるアンケートがあります。購入者アンケートとなっているんですが、購入者以外も答えられるアンケートみたいなので、何か出して欲しいレイバー等がある方は回答してみては?

tamashii.jp

 

新作EZYとの関係は? 

 SIDE LABORシリーズがいつまで続くのか分かりませんが、新作パトレイバーEZYのプロデューサー真木氏が、オリンピックまでに新アニメをやりたいという話を言っているので、

mech.hateblo.jp

実現すれば、ちょうどSIDE LABORの展開中に新アニメが展開する、という事は十分ありえます。レイバーの種類が50あるというのはそれを可能に出来る台数ではあります。ただ、マイナーなレイバーも含めればの話ですが。

 考え過ぎれば、SIDE LABORの展開と新作アニメを同時進行することを狙ってやっているのかも、という希望的観測すらありますが、果たしてどうなんでしょ。

パッケージの解説

 バンダイが発売しているROBOT魂<SIDE LABOR>シリーズの箱・パッケージ裏に記載されている機体の解説は信用性がないのでのご注意下さい。理由は2009年に学研から発売された「ザ・レイバー・インダストリー」という本の内容を引用しているからです。

 パトレイバーはメディアミックスで、作品間の設定が全て同じという訳ではありません。なので、別にこういう本が出てもおかしくないし、構わないとおもいます。しかし、この本の冒頭にはわざわざ「公式設定ではない」旨の注釈があります。それを見落としているのか、本の解説文章をほぼそのまま引用している点が問題なのです。

 この本については、編集者の方がブログで本のテーマなどを詳しく書いているので、そちらもご覧下さい。

d.hatena.ne.jp

 この本はTVシリーズやアーリーデイズ、劇場版などの世界を1つにまとめ、整合性を持たせるためや、現実の技術に寄せるために結構強引な解釈が行われています。(こう言ったことは、TV版放送当時にホビージャパンパトレイバー企画でも行われていました)

 TVシリーズのオープニングでイングラムの動力はSCB(Super Conductive Battery:超伝導電池)と解説されていたにも関わらず、ROBOT魂イングラム1号機(TVシリーズ仕様)の箱には電源がリチウムイオンバッテリーと書かれていたり、最近発売された零式の箱には、零式とニューロンネットワーク(劇場版の後に放送されたTVシリーズに登場したピースメーカーに搭載されていた機能)が云々と書かれています。

 これらの内容は全て公式設定ではない旨の注釈がある「ザ・レイバー・インダストリー」に同様の記述があります。他のそれ以前の解説本には見当たらないので、やはり「ザ・レイバー・インダストリー」からの情報でしょう。

 パトレイバーは媒体によって設定の共有(例えば映画版やマンガ版でHOSというソフトウェアが登場しますが、前者は<エイチ・オーエス>、後者は<エッチ・オーエス>と呼ばれ、機能も異なる等)がされているので、劇中では描かれていないがそう言う事があるかもしれない、という考察がし易いのですが、その点とROBOT魂のパッケージ解説の話とは別だと思います。これは単なる調査不足です。

 この調子だと今後もこの本から取った情報が<SIDE LABOR>の箱裏解説に書かれる可能性があります。何度も言いますが、この本の情報は公式設定でないと本の冒頭で書かれているのです。バンダイにはこの辺の事はちゃんとして欲しいです。